ワインペアリングコンテスト 2021 オイスター部門 審査員と総評
Toshihiro MATSUSHITA
「かしこまった雰囲気ではなく、気どらずに利用していただける店を」との思いからオイスターバーを開業。日本のみならず、世界各地の「旬」の牡蠣を提供する。
FISH HOUSE OYSTER BAR
オーナーシェフ/株式会社カスケード 代表取締役
フィッシュハウス本店
東京都渋谷区恵比寿西1-3-11 Belle 恵比寿 M1F
TEL:03-6416-1391
HP:https://oyster-bar.jp/
ワインの実力が拮抗し、審査はとても難しかった。今回、特に目立ったのは国産ワインのバリーエション。オリジナリティのあるものが多かった。日本は、たくさんの牡蠣の産地がある国なので、これをペアリングさせない手はありません。また、辛口・ミネラル系ではなく、アロマティック系のものが目立ったのは、生牡蠣はもとより、食中酒としての汎用性を求める時代背景からかもしれません。
Taiu HAYASHI
オーナーシェフ松下氏とは前職の同僚という間柄で、「オイスターの伝道師」として共に研鑽を積む。生牡蠣と飲み物のマリアージュや、牡蠣料理のメニューづくりなどには特に心を砕く。
FISH HOUSE OYSTER BAR
グランドマネージャー
フィッシュハウス恵比寿東口店
東京都渋谷区恵比寿1-23-16
TEL:03-6408-5393
HP:https://oyster-bar.jp/
今回の傾向として、奇をてらったエントリーが少なく、綺麗な酸を持つ、バランスのとれたワインばかりだった、ということが挙げられます。品種でいうと、やはりソーヴィニョン・ブランは王道ですね。そんな中で、少し甘みがある、ふくよかでフルーティーなワインも、生牡蠣によくあるのだな、と思いました。心がホッとするようなマリアージュは、時代が求めているものかもしれません。
Keisuke SUGIMOTO
銀座、赤坂にオイスターバーを展開。夜ごとに美食家をうならせる牡蠣の専門家。「ペスカデリアへ行けばいつでも、杉本氏が選んだ旬のオイスターが食べられる」とのファン多数。
オイスターバーペスカデリア
統括シェフ
ペスカデリア赤坂店
東京都港区赤坂3-5-2 サンヨー赤坂ビル1F
TEL:03-3568-1860
HP:https://take-5.co.jp/pescaderia/akasaka/
コンテストの回を重ねるごとに、傾向が絞られてきているのは前回同様です。今回面白かったのは、スパークリングワイン。シャンパーニュ風のブレンドや、珍しい品種を用いたものと牡蠣とのマリアージュです。また品種だけでなく、冷涼な気候で育まれたブドウを用いたワインと牡蠣は合うな、と痛感しました。オイスターワインを考える時、気候要素はとても大切だな、と改めて思いました。
Atsuko OSADA
「乾杯の一杯がビールから、泡や白ワインが主流になり、そしてロゼワインへ広がってきたことがうれしい」という無類のワイン好き。詳細なテイスティングには定評がある。
オイスターバー
ペスカデリア 統括マネージャー
ペスカデリア銀座店
東京都中央区銀座7-7-11 第一菅原ビルB1F
TEL:03-5537-3599
HP:https://take-5.co.jp/pescaderia/ginza/
第2回と第3回の結果は違いが大きかったですが、第3回と第4回は、オイスターに合うワイン再確認になりました。牡蠣というと、「キリッと辛口」が合うというイメージがありますが、実際に牡蠣と、多くのワインを合わせてみると、そればかりではないことがよく解ります。そして、こうした時代に求められているのは、美味しくてコスパの良い「旨安ワイン」。コスパ賞に、是非ご注目を。
Hirokuni CHINONE
全店舗の総料理長を経て、現在はバイヤーとして活躍。オイスターバー〈オストレア〉は、都内に6店舗を展開。株式会社山小三では牡蠣の卸も。
株式会社バル・ホールディングス
商品開発部 部長/株式会社山小三 取締役
Oyster Bar & Restaurant Ostrea
HP:https://ostrea.jp/
アロマティック系の品種が今回も多く上位に来ていましたね。その中でも特に印象に残ったのは、ドイツのリースリングです。オイル系ではなく、レンジの中ではスッキリとしていて、食事の邪魔をしないタイプ。相乗効果で引き立てあう、というよりも、生臭みを感じさせず、ひと口飲むたびにリセットしてくれる潔さも、オイスターを食べる上では非常に心地よい。改めて、そう感じました。
Shinichiro UENO
福岡県糸島を本拠に、牡蠣養殖、海外産オイスターの輸入、卸、販売、小売(かき小屋豊久丸)を経営。濃厚みるくがきをはじめ取扱商品多数。
株式会社アクアグローバルフーズ
代表取締役/豊久丸オイスターファーム 代表
アクアグローバルフーズ
HP:http://ag-f.co.jp/
今回、自分の中でハッキリしたことは、グレープフルーツの柑橘風味を持つワインは、オイスターに合う!ということ。サラッと水のようになめらかで、綺麗な酸とかすかなほろ苦さのあるワインは、本当に生牡蠣全般によく合います。生産者なのでつい牡蠣の時期による味わいの違いなどを考えて審査の迷宮に陥りがちでしたが、全般に合う傾向の道筋を見つけたことは、今回の大きな収穫でした。
Mika SAITO
都内を中心に、店舗を持たずに、イベント、ホームパーティーなどにオイスターで彩を添える形態を創始。オイスターフォーラムの企画運営や、コラボメニュー開発にも携わる。
Pop-Up Oyster Bar主宰
Pop-Up Oyster Bar
HP:https://lit.link/oysterholic
はじめての参加でしたが、ワイン単体の評価と実際に牡蠣に合わせた時の評価は違うものだと驚きました。そして、繊細な味わいのオイスターには、やはり繊細な味わいの日本ワインが合うのだな、と。私はそもそも日本ワインが好きなのですが、ブラインドでもやはり、日本ワインに高得点を付けていて、答え合わせができたように思います。やさしさと繊細さを寄り添わせるマリアージュですね。
Aki TSUBOI
本業の不動産業とは別に、牡蠣生産者をボランティアで応援する組織をつくり、日々活動する。そのフィールドは、本拠地の北海道を超えて、日本全国から全世界をカバー。八面六臂の活躍を続ける。
かきフォーラム製作委員会委員長
牡蠣活動家
Great oyster
HP:https://www.great-oyster.net/oysteractivist
今回の傾向として、奇をてらったエントリーが少なく、綺麗な酸を持つ、バランスのとれたワインばかりだった、ということが挙げられます。品種でいうと、やはりソーヴィニョン・ブランは王道ですね。そんな中で、少し甘みがある、ふくよかでフルーティーなワインも、生牡蠣によくあるのだな、と思いました。心がホッとするようなマリアージュは、時代が求めているものかもしれません。