ワインペアリングコンテスト 2021 ラム部門 審査員と総評

Mai SAWAKI

沢樹舞氏
沢樹舞氏

ファッションモデルからワイン・料理の世界へ。ワインのある新世代の家庭料理を提唱。2018年より、ラムの魅力をさまざまな側面から伝える「ラムバサダー」もつとめ、日本全国で子供を対象としたラムの料理教室を開催。

(株)たべるの代表
ワインスペシャリスト
料理家

たべるの
HP:https://taberuno.com/

今回エントリーでは、これまでラムに合わせるワインとしてイメージされた、ステレオタイプの濃厚パワフルワインは、むしろ少なかったですね。シラーも、とてもエレガントなものが多かった。ビーフは素材としても重く、消化にもパワーが必要ですが、ラムは軽やか。同じ100gでも、感じ方はかなり違います。だから、ラムワインは軽やかな味わいが相応しい。そう強く感じたコンテストでした。

Shinji TSUBOUCHI

坪内慎知氏
坪内慎知氏

オーストラリアの食材とワインに造詣が深く、常に現地のトレンドに目を配る。ワインに関しては、「プロは繊細さを求め、お客様は比較的濃厚さを求める傾向にある」と、ダブルスタンダードなサービスには定評がある。

オーストラリアワインダイニング 64 Barrack st/フランス料理タンモア ソムリエ

64 Barrack st
HP:https://barrackst64.com/
タンモア
HP:https://www.tanmoa.com/

第2回の今回は、エントリーされた国が絞られてきましたね。フランス、イタリア、スペイン、オーストラリアなど。これは、シンプルに調理した上質なラムに合うワイン、という明確な目的意識をもって審査した結果が、ダイレクトに現れたものだと思います。そんな中で、日本、中国、南アフリカなどの産地が健闘していました。特に日本のスチューベンなどは、上品なラムとよく合います。

Yayoi HAYASHI

林やよい氏
林やよい氏

ワイン業界で活躍しつつ、趣味の旅行のたびに、世界中で羊料理を探求。オセアニア、中国、シルクロードなどの羊料理にも深い造詣を持つ。「ふたたびラムを求めて旅立てる日が来ることを切望しています。」

ワインの売り方コンサルタント
下北沢ワインラボ主催
シニアソムリエ、VMDインストラクター

下北沢ワインラボ facebook
https://www.facebook.com/shimokitazawa.winelabo

エントリーされたインポーターさんや生産者が、ラムのことをよく解ってきているなと感じました。前回は、スパイシーなニュアンスを持つ赤ワインがかなりありましたが、今回のキーワードは「酸」。エレガントな酸味は、上質なラム肉ととてもよく合います。日本の北の方のワインとラムの相性の良さ!また、ニュージーランドのピノ・ノワールとは驚きのマリアージュで、センスを感じました。

Masatoshi ISEKI

伊關正俊氏
伊關正俊氏

ホテルレストランのソムリエからはじまり、ワインの催事企画など、さまざまなかたちでワイン業界をフォローアップしている。また、北海道出身ということから、羊肉にも一家言もつ。

ソムリエ
ワインコンサルタント
ワイン研究家

多くの人はまだマトンのイメージを払拭できていないのか、羊には濃厚な赤ワインを、と思いがちですが、現在流通しているような上質なラムなら脂が多過ぎない限り、過度なタンニンは不要で、バランスこそが重要。むしろ、白のほうが合ったりもする。そうしたペアリングへの期待感が、ロゼの高評価に繋がったのかも。ラムは白身赤身でいうならば、ロゼの肉だといえるのではないでしょうか。

Hiroshi YAMANE

山根宏士氏
山根宏士氏

フレンチの料理人を皮切りに、オーストラリア料理店などでも研鑽を積み、フリーのワインアドバイザーに。出身が、漬け込みラム発祥地といわれる北海道滝川市で、地元にワイン&ラムの文化を広める活動中。

フリーワイン
アドバイザー

今回の審査で僕が注目したのは、ワインの酸。ラム肉にも、独特の酸味がある。その酸味に寄り添う、酸味の際立ったワインに高得点をつけたきらいがあります。一杯飲んでおしまい、ではなく、ずっと食事に合わせ続けられるワインというのもポイントです。こういう時代ですし、またラムという食材が一般的になっていることもあり、家庭での消費を見越して情報を発信するべきかと思います。

Satoshi TONOOKA

外岡聡一氏
外岡聡一氏

「美味しいイタリアンを食べながら、自分たちが好きなお酒を提供したい」と、2004年にお店をオープン。ワインのみならず日本酒や焼酎も楽しめる人気店に。また、メインの肉をラムとするほどの羊肉好き。

SAKE & WINE tono:4122
オーナーシェフ/シニアソムリエ

tono:4122
東京都文京区千駄木4-1-22
TEL:03-3822-4124
HP:https://m.facebook.com/tono4122.F/

世間のイメージだと、ラムには赤ワインかもしれませんが、うちの店では日本酒や焼酎。ワインでは、白やオレンジワインを合わせるのが普通です。そんなわけで、濃厚さや渋味とは違う観点で、エントリーされた多くの赤ワインを審査させていただきました。実際にラムに合わせてみると、よく解ります。軽やかさ、上品さ、穏やかな味わいの赤やロゼと、上質なラムは本当によく合いますよ。