第1回 ワインペアリングコンテスト開催にあたって

ワインと食材に関するプロモーションとして、「オイスターワインコンテスト」「ラムワインコンテスト」を開催してまいりましたが、本年より独立していた各コンテストを一つにまとめ「ワインペアリングコンテスト」として開催することとなりました。
ワインコンプレックスが主催するコンテストのはじまりは、販売のために多大な苦労をされている専門性の高いワインを輸入されている輸入元に対して、ワインの販促のためのお手伝いをしたい─という願いからでした。
まずは、どのようにしたらワイン消費が伸びるかを考え、食材とのペアリングを基幹に据えることしました。
冬場に下がる白ワイン需要をのばすために、寒い時期に旬を迎える牡蠣とのペアリングを提案する「オイスターワインコンテスト」を立ち上げ、さらに牛、豚、鶏に続く第4の肉として注目される羊に合わせて「ラムワインコンテスト」を開催しました。
こうした食材中心のワインコンペティションは日本にはまだ無く、ソムリエやバイヤーたちから「お店にワインを導入する際の手がかりになる」というお言葉もたくさんいただきました。
今後、チーズや生ハム、ジビエなどの食材に合わせ、毎年1アイテムずつコンテストの幅を広げていくことができればいいなあ、と思っていた矢先に、コロナ禍の世の中となってしまいました。
ワインコンプレックスでは、毎年10回以上の展示会を全国で開催していますが、コロナ禍の中、対面型以外での販促の場を設ける必要が出てきました。その点、コンテストは、1年を通じ、機会あるごとにフリーペーパーをお配りしているので、エリアも期間も限定せず、広範囲に長期間にわたって結果をお伝えすることができます。
実際、消費者が家飲みをする際の指針になるということで、小売りの現場から「コンテスト結果をセールスに取り入れたい」というお申し出が複数来ています。

ワインコンプレックス代表 高岡信明

今後は、さらにコンテスト結果を目に見えるかたちでプロモーションし、コロナ禍の現状に対応し、皆様のお力になっていきたいと考えています。
2021年には、オイスター、ラムに続き、ビーフワインのコンペティションを新設しました。2019年にアルゼンチン牛が、2020年にアイルランド、スペイン牛が輸入解禁となり、またフランス牛の輸入条件見直しなどの影響も受けて、日本において世界のバラエティービーフ市場が開放されつつあります。
ビーフの多様性が出はじめ、食の流れが変わってきた今だからこそ、最新の情報発信をおこない、ワインにたずさわるすべての皆様の一助となりたいと願っています。
各コンペティションの審査員は、選りすぐりのオイスター、ラム、ビーフのスペシャリスト。実際に食材を食べていただきながら、すべてのワインの試飲をおこないました。
「権威」を背景にワインの優劣を決めるのではなく、食材を知り尽くし、日頃からその提供に携わっている人たちの視線で「各食材とのペアリングに最適なワイン」を厳選することが、私たちの目的であるからです。
また今回より、海外の生産者からの直接のエントリーを受け付けました。彼らも自身のワインと食材とのペアリングの評価に興味を持ち、日本に売り込む目的だけでなく、コンテストの結果をマーケティングに活かしたいというご意見も伺いました。ワインコンプレックスのコンペティションの信頼性が、海を越えて広がっているひとつの手ごたえかと、自負しています。
ワインコンプレックスは、「消費者にリアルに喜んでいただけるワインである」という誇りを持って、選ばれたワインをおすすめいたします。