ワインペアリングコンテスト 2021 ビーフ部門 審査員紹介と総評

Koichi TANABE

田邉公一氏
田邉公一氏

レストランやワイン関連会社のワインセレクション、ドリンクアドバイザーを務め、ワインを中心にイベント監修やコメンテーター、プロモーション活動も。その輝かしい経歴の出発点が神戸のため、ビーフとは縁が深い。

ソムリエ
ワインディレクター

T. Y. HARBOR
東京都品川区東品川2-1-3
TEL:03-5479-4555
HP:https://www.tysons.jp/tyharbor/

テンダーロイン、タン、エイジングビーフと、3つのカテゴリーごとの相性、そして全般との相性を審査しました。
これぞビーフワインというものを考える中で、それぞれのカテゴリーすべてを引き立てる力があるものを考えましたが、やはり結論的には赤が有力。ただし、白や泡との相性の可能性も充分に感じることができました。

Nakata YOSHINORI

中田吉則氏
中田吉則氏

創業95年、従業員140名、北陸三県をフィールドに年商約70億円のビジネスを展開する流通大手を牽引する三代目。同社は、年に1000頭ほどしか出荷されない稀少なブランド牛「能登牛」の最大の取り扱い業者でもある。

株式会社サニーサイド
代表取締役社長

サニーサイド
HP:https://www.e-sunnyside.co.jp
 
 

牛肉を食べる際、ワインは欠かせないものと思っています。元々、良い肉には甘みがあります。だから、ワインにも甘みがないと引き合わない。甘みは「旨み」と言い換えても良いでしょう。甘みと旨みが掛け合わされて、牛肉とワインを合わせると、1+1が3にも4にもなる。今回、オーストラリアやニュージランド、チリなどのニューワールドのワインが少なめだったのは、少々意外でした。

Masamichi FURUMURA

古村正道氏
古村正道氏

前職は山岳ガイドとスキーインストラクターという異色の経歴をもつ、この道30年のベテラン。「ビフテキのカワムラ」は最高級の神戸ビーフや但馬牛のみを扱う高級鉄板焼店。その銀座店において日々技を研鑽している。

ビフテキのカワムラ
東京銀座店シェフ

ビフテキのカワムラ東京銀座店
東京都中央区銀座6丁目5-1 ブリオーニ銀座ビル8階
TEL:03-6252-5011
HP:https://www.bifteck.co.jp/kodawari/

たとえばステーキなどは、あまり濃いソースを使わずに、塩、胡椒などでシンプルに焼き上げるというのが現在の流れであり、トレンドです。そういう流れをきちんととらえたエントリーが多かったように思います。特に、日本ワインなど、アルコール感のあっさりとしたものは、塩で焼いたビーフやしゃぶしゃぶと相性が良いですね。綺麗な酸を持ったワインは、やさしくポン酢にも寄り添います。

Atsuki UNO

宇野充希氏
宇野充希氏

焼肉レストラン4店舗の他、和食、イタリアン、ラーメンまで幅広いジャンルの飲食店を経営。日々、肉の品質チェックに余念が無く、子供の頃の印象に残る焼き肉の原点を追求している。
 

株式会社シティダイニング
代表取締役

麻布十番焼肉BULLS
東京都港区麻布十番2-5-1 マニヴィアビル3F
TEL:03-6434-5419
HP:http://www.citydining.jp/

エントリーされたワインが、バラエティーに富んでいて非常に面白かった。ビーフに合うワインということですから、濃いワインばかりかと思いましたが、色々なスタイルのワインがありましたね。エントリーしたインポーターさんや、造り手の方がたのセンスが感じられました。印象に残ったのはスペインのワイン。スペインの牛肉を食べながらの審査だったせいか、とても美味しく感じました。

Daisuke UMEMATSU

梅松大輔氏
梅松大輔氏

子供の頃からの焼き肉好き。イギリスのホスピタリービジネススクールへの留学経験をもち、「海外の人に日本の美味しい焼き肉を食べて欲しい!」と現職に。酒類全般に通じ、特にビーフ各部位のマリアージュに詳しい。

株式会社トラジ
開発本部担当部長、ソムリエ

焼肉トラジ本店
東京都渋谷区恵比寿南2-2-4山燃ビル1.2F
TEL:03-5725-1929
HP:https://www.ebisu-toraji.com/

エントリーが、一辺倒でなかった。品種もサンジョヴェーゼ、ピノ・ノワール、ガメイなどなど。逆に審査するこちらが試されているようでした。参加者の、その思いを汲み取りながら、ビーフのどこに照準を合わせるか…なかなかエキサイティングな経験になりました。2回、3回と回を重ねるうちに収斂されていくのでしょうが、「こんなので来るのか!」という面白みもありました。

Osamu HASHIMOTO

橋本宰氏
橋本宰氏

祖母が創業したお店を受け継ぎ、山形牛専門の焼き肉店へと進化させ、現在は都内・横浜に6店舗を展開。また肉の取り扱いの技を惜しげもなく公開するユーチューバ―としても活躍。多くのファンを持つ斯界のカリスマ。

有限会社ホドリ
代表取締役社長

焼肉ホドリ 用賀店
東京都世田谷区用賀2-28-19
TEL:03-3707-3829
Youtube チャンネル 肉のプロフェッショナル

はじめての試みに参加させていただき、大変だった一方で、良い経験になりました。まず「ビーフに合う」ということが、どういうことかを考える機会になった。ペアリングにも、ビーフとワイン双方が引き立てあうポジティヴな合わせ方と、ビーフの匂いを消すというネガティヴな合わせ方がある。そういうことに思いを致し、論理的に判断する経験は、今後の経営にも、大きく役立つと思います。

Hiroki AIKAWA

相川浩己氏
相川浩己氏

京都は四条烏丸、隠れ家的モダンフレンチレストランとして人気のRestaurant aiに勤務。シェフになる以前はパティシエであったという繊細な感覚が、ワインと料理のペアリングにも冴える。特にビーフの火入れにこだわりが深い。

Restaurant ai
シェフ

Restaurant ai
京都府京都市下京区善長寺町139 AMI 四条烏丸 B1F
TEL:050-5868-5685
HP:https://ai-kyoto.jp/

調理をするうえでビーフとワインのペアリングを考えると、「バランス」が重要になります。たとえば、酸味のあるワインは、調理の段階では極力酸味を抑えて、お客様が召し上がる時にワインで酸を補っていただくことで、ちょうど良い「バランス」で終わるように配慮します。エントリーされたワインは、果実味系が多かったですが、ビーフの部位や調理を考えるとワインの幅も広がる可能性を感じます。

Kentaro TAKANO

高野健太郎氏
高野健太郎氏

飲食暦20年の経験から、ワインや肉に通暁。独自の経験値からつむぎ出すペアリングの妙には、定評がある。現在は「青山まんぷく」に勤務。個人的には、肉は赤身、ワインはシンプルな親しみのある味わいのものを好む。

(株)テイクファイブ
マネージャー、ソムリエ

青山まんぷく
東京都港区南青山3-14-2 1階
TEL:03-5413-5529
HP:https://take-5.co.jp/manpuku/shoplist/aoyama/

エントリーされたワインは総じてレベルが高く、また「きちんとビーフに照準が合わされているな」と感じました。パワフルなものが多いかと思いきや、バランスが良く、飲みやすいものが多数だった。これは、サシの入った濃厚な牛肉よりも、赤身が好まれる現在のニーズに即した傾向だと思います。インポーターさんや生産者の研究や努力、市場を読む真摯な姿勢が感じられるコンテストでした。