飲食店のためのオイスター活用術

オイスターワインコンテスト受賞ワイン(シール)「取り扱いが難しそう」「限られた季節にしか扱えないのでは?」など、オイスターの提供に興味はあっても、なかなか踏み出せない飲食店も多いかもしれません。しかしオイスターのプロにうかがうと、基本さえきちんと踏まえれば大丈夫だといいます。新たな看板メニューとして、オイスターを受賞ワインとともに扱ってみませんか?

ワインとオイスターペアリングの基本

日本で食べられているオイスターは、味わいのうえで「真牡蠣」「岩牡蠣」そして「海外産オイスター」の3種に大別されます。
「真牡蠣」は、日本で養殖されている牡蠣のおよそ8割を占める人気の牡蠣。日本人がイメージする「牡蠣」の代表といってよいでしょう。フレッシュな味わいは、爽やかな白ワインとよく合います。
「岩牡蠣」は、真牡蠣より大きめの牡蠣で、一般的に夏場が旬とされています。その濃厚な味わいに、シェリーやマデイラなどの酒精強化ワインを合わせると、ユニークなマリアージュになります。
「海外産オイスター」は、世界各国で養殖されている牡蠣を輸入したもので、日本の牡蠣に比べると、比較的小粒で、ミルキーな味わいが特徴です。生の海外産オイスターにグラップペッパーを振り、赤ワインに合わせるという通好みのマリアージュもおすすめです。
受賞ワインのコメントには、それぞれのワインに特に合うオイスターの種類や合わせ方が書かれていますので、提供するオイスターに合うワインをぜひチョイスしてみてください。

同じ種類のオイスターでもかたちが異なる理由

牡蠣は1日に約300ℓの水を体内で入れ替えるといわれています。育った海の環境が、そのまま牡蠣の個性をかたちづくる、といっても過言ではありません。また、育て方によっても味わいは大きく異なります。
たとえば真牡蠣は日本全国で生産されていますが、その種のほとんどは広島か宮城のもの。そして宮城のものは成長が早く、広島のものは身がしっかりとしている、といった特徴があります。
また、たとえばオーストラリア・コフィンベイ産の牡蠣は、種としては真牡蠣ですが、バスケットに入れて養殖することで、粒を小さく、カップを深く成長させ、濃厚な味わいを実現させています。バスケットに入れられた牡蠣は、干潮時には海面から出るため、危機感を持ち、内蔵にグリコーゲン(旨味)を蓄えようとします。この時に、栄養分が身へとまわるため、殻は小さく、味わいは濃厚になる、という仕組みです。
アメリカのピュージェット湾近郊では、産卵させずに養殖する種苗技術「3倍体」の技術を取り入れ、日本の真牡蠣系統のオイスターを、成長が早く、身入り良い、通年出荷のできるオイスターを養殖しています。
このように同種の牡蠣であっても、生産者の考え方や養殖方法によって、まったく異なる牡蠣になるのです。

オイスターは実は一年中楽しめる

「英語でRのつかない5月から8月は牡蠣を食べてはいけない」などともいわれていますが、5〜8月の牡蠣に毒があるわけではなく、北半球においては、牡蠣が産卵し身が痩せるために美味しくなくなるだけのこと。反対に南半球では、この時期に牡蠣は旬を迎えます。
また、通常の牡蠣とは産卵方法が異なる岩牡蠣は、むしろ夏場が旬となります。
つまり、産地や牡蠣の種類、養殖の方法などを知ることで、牡蠣は一年中楽しむことができるのです。そしてシーズンではないと考えられがちな夏場は、逆にビジネスチャンスともいえるでしょう。冷たいものが恋しい季節に、よく冷えたワインと生牡蠣の取り合わせはまさに至福。衛生面でのリスクにさえ気をつければ、夏場のメニュー開発に活用できるのではないでしょうか。

安心対策の基本を守って美味しいオイスターを提供

夏の新たな人気メニューとしてオイスターを提供するといっても、食中毒など衛生面のリスクは気になるところです。しかし基本的なことさえ踏まえておけば、衛生的な問題も比較的簡単にクリアできます。
まず大切なことは、生産者との信頼関係。顔の見える生産者からの牡蠣であれば、問題が起こった際も、牡蠣が生まれた現場まで遡ることができます。何処に問題があったか、がすぐに判明することが、万が一の事態を最小限の被害で食い止めます。
また、牡蠣の取り扱いで大切なことは、どの状態で保存するか、ということ。殻つきのまま低温で保存し、オーダーがあった後に剥くこと。極力人の手が触れないようにサービスすること。長くテーブルで放置されないよう、お客様にアナウンスすること。大皿の牡蠣が少なくなってきたら、氷を盛った小皿に移し替えること。そんな、ちょっとした配慮で、安全性は驚くほど高まります。
はじめて牡蠣を扱う場合、取り扱い前に最寄りの保健所に相談してみましょう。安全性を高める無料の講習を、無料で受けることができます。


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