審査員紹介と総評

オイスターワインコンテスト受賞ワイン(シール)2018年8月下旬、東京・新宿のオイスターバー&レストラン〈オストレア新宿三丁目店〉にて「オイスターワインコンテスト 2018」の審査を実施。

審査員はすべて「牡蠣に関わっている人」、その前提をクリアした上で「ワインにも通じている」人びとです。

まだまだ暑さの残る折、完全ブラインドテイスティングの、厳正にして白熱した審査は2日間にもわたりました。


松下敏宏氏

FISH HOUSE OYSTER BAR オーナーシェフ、株式会社カスケード 代表取締役

松下敏宏

松下敏宏氏

::プロフィール::
「かしこまった雰囲気ではなく、気どらずに利用していただける店をつくりたい」との思いからオイスターバーを開業。日本のみならず、世界各地の「旬」の牡蠣を提供している。また書籍『プロのための貝料理 貝図鑑と専門店の基本技術 和・洋・中・ベトナムの貝料理バリエーション200』(柴田書店刊)では、オイスターの専門家として編集・監修に携わった。
::総評::
「今年は、スパークリングや日本ワインなど、ワインのカテゴリーの面白さを強く感じ、それがまた、新しい発見にもなりました。また、昨年に引き続き、酒精強化ワインとオイスターの相性の良さも確認できました。ブラインドテイスティングで、ブレない審査ができたことは、自分自身にとっても良い経験でした。牡蠣を扱う人間として、自信を持ってこのコンテスト結果をおすすめします」。

林泰宇氏

FISH HOUSE OYSTER BAR グランドマネージャー

林泰宇

林泰宇氏

::プロフィール::
オーナーシェフ松下氏とは前職の同僚という間柄で、「オイスターの伝道師」として共に研鑽を積む。生牡蠣と飲み物のマリアージュや、牡蠣料理のメニューづくりなどには特に心を砕く。個人的なおすすめは、生牡蠣にタバスコやホースラディッシュなどインパクトのある薬味を添えること。牡蠣のフレッシュさや旨味などの、もうひとつ先にある世界観が堪能できる。
::総評::
「このコンテストも、2回目となって的が絞られてきたように思います。一般的に『牡蠣に合うよね』といわれているワインではなく、このコンテストならでは、のワインが選ばれている。今回、僕の中で面白かったのは、赤ワインとオイスターの取り合わせ。一般的には意外なマリアージュかもしれませんが、『合わなくもない』どころか、むしろ積極的に試してみたい美味しさがありました」。

杉本恵介氏

オイスターバー ペスカデリア 統括シェフ

杉本恵介

杉本恵介氏

::プロフィール::
銀座、赤坂にオイスターバーを展開。夜ごとに美食家をうならせる牡蠣の専門家。「ペスカデリアへ行けば、杉本氏が選んだ、今最も秀逸なオイスターが食べられる」というファンが多く、むしろ夏場が大盛況。日本全国のみならず、海外のオイスターの状況や旬にも精通している。生産者とのつながりを大切にしており、牡蠣生産地の行脚がライフワークとなっている。
::総評::
「今年はワインのエントリー数も多く、審査が難しかった。昨年は、ただオイスターに合うワインを選びましたが、これだけ多様なワインが集まると、合わせ方にもいろいろな楽しみ方が想定できますから。しかしそれは、オイスターのある食空間にとっては素晴らしいことですよね。エントリーが増えたことで、よりリアルに、より詳細に、オイスターワインを選ぶことができたと思います」。

長田温子氏

オイスターバー ペスカデリア 統括マネージャー

長田温子

長田温子氏

::プロフィール::
生産者との繋がりを大切にする姿勢は杉本氏譲り。お客様の志向に合わせて、さまざまな産地のオイスターを提供できるよう、常に心がけている。また、「お客様の最初の乾杯の一杯が、ビールから、スパークリングワインや白ワインが主流になり、そしてロゼワインへ広がってきたことがうれしい」というほどの無類のワイン好き。詳細なテイスティングコメントには定評がある。
::総評::
「オイスターに合うということだけを考えて、これほどのワインをテイスティングしたのははじめて。テイスティング中も、『現場だったら、このワインをお客様にどのようにご紹介するかな?』と、ストーリーを想定しながら、表現しやすいフレーズを考えたりして、私自身とても勉強になりました。このコンテストそのものが、お客様とのコミュニケーションツールになりますね」。

茅根浩邦氏

株式会社バル・ホールディングス商品開発部 部長、株式会社山小三 取締役

茅根浩邦

茅根浩邦氏

::プロフィール::
バル・ホールディングスの全店舗の総料理長を経て、現在はバイヤーとして活躍。オイスターバー〈オストレア〉は、赤坂見附、六本木、銀座コリドー通り、新橋、新宿三丁目、渋谷と6店舗を展開。株式会社山小三では牡蠣の卸も。生産者のフィロソフィーと豊かな海の味わいを何よりも大切にしている。料理への深い造詣から、オイスターの取り扱いにも慧眼が光る。
::総評::
「ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランは牡蠣と合いますね。品種特性、気候や土壌、造りなどなど、個々の要因は一様ではないでしょうが、どれも牡蠣との相性が抜群。それともうひとつ痛感したのは、『酒精強化は懐が深い』ということ。去年は相性の良さに驚いたのですが、2年続けて体験すると、意外性よりもむしろ『牡蠣に合わせやすいワインなのだ』と感じます」。

上野慎一郎氏

株式会社アクアグローバルフーズ 代表取締役、豊久丸オイスターファーム 代表

上野慎一郎

上野慎一郎氏

::プロフィール::
福岡県の糸島を本拠に、牡蠣養殖、海外産オイスターの輸入、卸、販売、小売(かき小屋豊久丸)を経営。取扱商品は、濃厚みるくがき、糸島産真牡蠣、糸島産岩牡蠣、国産活牡蠣、海外産活牡蠣、その他海産物など。オイスターバーとの取引が多いが、オーナー制度に参加することで、一般の人も購入可能。牡蠣とお酒のマリアージュの研究に余念がない。
::総評::
「エントリーの時点でオイスターに合うものが厳選されていて、ポテンシャルが高かった。牡蠣と相性の良いワインの基本的な方向性はあります。しかしその中でも、微妙な塩味やヨード香、渋みなどによって、さらにピンポイントなマリアージュが成立する。このワインはワシントン州の牡蠣、これは東海岸のヴァジニカと合わせたらすごく合うだろうなどと想像し、楽しい審査でした」。

井上倫昭氏

フィッシャーマンズ・マーケット・ オイスターバー オーナーシェフ

井上倫昭

井上倫昭氏

::プロフィール::
開業して10数年になる新潟駅近くの店舗は、近隣はいうにおよばず県内のオイスター好きにとっての情報拠点。全国的には、牡蠣というと冬場のイメージが強いが、冬場に雪に閉じ込められて外に出づらい新潟の人びとにとっては、「牡蠣といえば岩牡蠣のことで、むしろ夏の食べ物というイメージの方が強い」とのこと。「もちろん、冬の真牡蠣も好きです」。
::総評::
「総体的に、オールドワールドよりも、南半球や北米などのニューワールドのワインが牡蠣に合うなと感じました。それは、ある意味当然なことなのかもしれません。それらの土地は、オーストラリアやカナダなどのオイスターの産地と近いのです。僕のようにずっと牡蠣と付き合ってきた人間にとっては、それはむしろ自然なこと。ワインと牡蠣は、ナチュラルな合わせ方が一番です」。

山本智之氏

オイスターバー・クィーンエンジェル オーナーシェフ

山本智之

山本智之氏

::プロフィール::
新鮮な魚に恵まれ、また魚介好きが多い土地柄の静岡だが、それまではなぜかオイスターバーがなく、「ならば、自分で作ろう」と開業してしまったほどのオイスター好き。その静岡市初のオイスター専門店は、8周年をむかえた。お店でよく出るワインは、やはり白ワイン。スパークリングの赤ワインなどもすすめながら、ワインと牡蠣のマリアージュに注目している。
::総評::
「牡蠣と一緒に食べないとわからないものですね。審査に参加するのははじめてでしたが、頭で考えるのと、実際合わせてみるのとでは違う。審査会場に生牡蠣が用意されていたので、より現実的な審査ができました。生牡蠣と、スパイシー系の赤ワインとのマリアージュは、非常に面白く、また、日本ワインの品質が向上していて、牡蠣に合うものが多数ありました」。
ワインコンプレックスとして自信を持っておすすめできるオイスターワイン

::プロフィール::
自他ともに認めるオイスター好き。ことに生牡蠣をこよなく愛し、たびたび生産地におもむいては経験を積み重ね続けている。そしてついに、ワインコンプレックスにおいて、牡蠣にマリアージュする、今注目のオイスターワインを選出するという10年来の夢を実現させた。牡蠣好きであることに端を発して、その副産物であるホヤまで好きになったというエピソードもある。


今回のオイスターワインコンテストの結果を、去年の結果と照らし合わせてみると、選ばれたワインにワインコンプレックスとしての審査基準が見事にあらわれていて、厳正にして、ブレていないことがよくわかります。これは『正しいジャッジができている』ということで、私たちは胸を張って「このワインはオイスターに合います!」とおすすめできる。それを大変誇りに思います。

今回は、スパークリングワインや日本ワインの特別賞を設けましたが、今後もニーズに合わせて調整しつつ、このコンテストを継続させていきたいと考えています。この活動がオイスターを楽しむきっかけや、少しでもワインの消費をのばす一助となるのであれば、それにまさる喜びはありません。

高岡信明

高岡信明
ワインコンプレックス代表


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