これが「今、求められている」オイスターワインだ!
歴代受賞ワインからオイスターワインを分析する

第3回を数えるオイスターワインコンテスト。過去の受賞ワインを分析すると「今、求められているオイスターワイン」が見えてくる。

オイスターワインに適したブドウ品種は?

まず品種においては、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、ピノ・グリなどのアロマティック品種、セミアロマティック品種、グリ・ブドウ品種が強いことがうかがえる。

これらの品種は芳香性に富み、フェノールによるかすかな苦味が特徴のワインとなる。こうした要素は、生牡蠣の味わいを損なわず、かつ、かすかな苦味や独特の香りが薬味のような効果をもたらし、牡蠣の風味を引き立たせる。

ことにピノ・ノワールの突然変異から生まれたとされる白ワイン品種ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)は、個性的な香りと、しっかりとしたストラクチャーをもつワインとなりやすい。また、ピノ・グリを用いたワインは、トレンドである食のライト化ともあいまって、世界的に存在感を高めており、同品種は近年、その栽培面積を大いに広げている。今後、オイスターワインとして大いに注目される品種である。

オイスターに合うワインの産地特性は?

産地傾向を分析すると、気候は「温暖で、日較差のある地域」が有利であることがわかる。

こうした土地で育まれたブドウを用いたワインは、多くが豊かな果実味をもち、かつ豊富な酸味を有する。暖かい日中に果実味が蓄えられ、寒い夜間に酸をしっかりと蓄えるからである。そしてその酸味は、あたかもレモンを絞ったように、口中において牡蠣との絶妙な調和をもたらすのである。

また、アメリカ西海岸、オーストラリア、ニュージーランドなど、牡蠣の産地でもある土地のワインが多く受賞している傾向がみられるが、ここで注目されるのが日本ワインである。

日本の牡蠣養殖は、山などから流れ込んだミネラル豊富な水と海水がぶつかる内湾で多く行われている。ミネラルや海洋プランクトン、海藻を餌にするオイスターは、自らもグリコーゲンやタウリン、ヨード、ナトリウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含む。したがって、相性においてミネラルの同調を考える時、日本ワインに含まれる同じ土壌のミネラルのシナジーは、大いに効果を発揮すると考えられるのである。

オイスターに合う醸造スタイルは?

醸造スタイルからみると、オイスターワインとして適しているものは「樽を使用していないワイン」「マロラクティック発酵していない、していても高い酸度を有しているワイン」「短期間の果皮浸漬などにより、フェノール、少量のタンニンを有するワイン(ロゼ、オレンジワイン)」「シュール・リーや二次発酵による旨味成分を含んだワイン」「ほのかな残糖を感じるワイン」である。

これらの醸造スタイルをもつワインの多くは、豊富な酸を損なうことなく旨味成分もある。そして醸し出された酸味、苦味、芳香は、オイスターの味わいを補完するとともに、旨味成分の相乗効果で、オイスターの風味を引き立てるのである。

またスパークリングワインについては、熟成期間が9 カ月程度の、長期熟成を経ないフレッシュ感が残るものの受賞が目立った。こうしたタイプのアイテムは、オイスターや魚介類との相性が良いワインとして、今後さらに深掘りできそうである。


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